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 コラムNo.04




構造計算書偽造事件について

平成17年11月25日
株式会社 能勢建築構造研究所
代表取締役 永谷 芳郎


この度発覚した姉歯建築設計事務所の構造計算書偽造事件は、建物の所有者・居住者・使用者に多大な被害をもたらしただけでなく、建物に対する不安感や構造設計者を含む建築関係者全体に対する不信感を社会に広めた重大な事件で、同じ建築構造設計業務に関わっている弊社としても遺憾に存じます。
今回の問題は、設計事務所のパートナーである構造事務所(構造設計者)がコスト競争の中で社会的な使命を放棄(倫理観の欠如)したことと、確認検査機関が設計図書の偽造を見過ごしたことが、相まって起きたものと考えます。
当社は昭和35年に事務所開設以来、故能勢善樹が関西の建築構造設計事務所の構造技術および経営問題を改善すべく関西建築構造設計事務所協会(KSE)の設立に参画し、現在は永谷がKSEの副会長と日本建築構造技術者協会の業務委員会(倫理、損害賠償保険等を議論する委員会)の委員長を務めています。したがって、構造事務所および構造技術者の倫理に関しては、人一倍関心を持って対処してきたと考えています。また、構造技術に関しても、日本建築学会、日本建築構造技術者協会、大阪府建築士会、大阪建築士事務所協会、関西建築構造設計事務所協会などに所属して、継続能力開発(CPD)に努めて、社員一同、日々研鑽を積んでいます。
現行の耐震設計に関して、若干説明させていただきますと、中地震を想定した1次設計と大地震を想定した2次設計の二段階設計となっており、1次設計では標準せん断力係数Co=0.2で計算される地震力に対し構造体に損傷が生じないように規定され、2次設計ではCo=1.0で計算される地震力に対し建物が倒壊しないように規定されています。また、耐震設計で用いる地震力と気象庁震度階との関連ですが、地震力は建物に作用する慣性力であるのに対して、震度階は揺れの強さを表したもので、両者の間に相関はありません。今回のマスコミ報道において、強度不足が判明した建物が「震度5強で倒壊する恐れがある」とあるのは、1次設計の地震力を分かりやすく表現するために震度5強相当としたもので、2次設計の地震力は震度6強相当として表現されることが多いようです。
私どもは、社会基盤である建物の骨格を造っていると認識し、住み手はもとより、事業主、設計事務所、施工会社等の方々に、安全で安心できる建物造りを目指しておりますので、安心してお任せ頂きたくお願い申し上げます。




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